風邪 の ウイルス 種類。 七種類のコロナウイルスの具体的な特徴とウイルス学における分類

風邪ウイルスの予防接種はなぜないのか?

風邪 の ウイルス 種類

鼻かぜ・のどの風邪・おなかの風邪……どれもつらいものです 頭痛、発熱、鼻水、くしゃみ、喉の痛み、咳など、風邪の症状の程度や続く期間は様々です。 症状の差には個人差だけではなく、原因となる微生物による影響もあります。 頭痛と発熱は、原因がウイルスの場合にしばしば認められます。 主な風邪の種類別に、特徴を解説しましょう。 鼻風邪 鼻をかんだ紙からもうつりやすい 風邪の原因の80%以上はウイルスです。 ウイルスの半分以上は鼻風邪ウイルス(ライノウイルス)とされています。 このウイルスは高い温度が苦手なので、外気の影響で温度が低くなりやすい鼻や喉の粘膜には感染しますが、体の内部にあり温度が高い肺では増加しにくいため、肺炎を起こす事はありません。 このライノウイルスは100以上の型があるので、すべての型に対して免疫記憶を持つ事は不可能です。 抗ウイルス剤は開発されましたが、症状が出る期間を1日程度短縮させる効果しかないため、市販はされていません。 また100以上の型ごとに必要なので、ワクチンは作製されていません。 罹った人の鼻水中にウイルスがいるので、鼻をすすったりした手指が触れたものや、鼻をかんだティッシュペーパーにもウイルスが付着します。 症状が出る前から鼻水中にウイルスがあるので、同居している人や会社で同室の人は感染を免れるのは難しいです。 俗説で「風邪は他人にうつすと治る」と言われていますが、それはこの鼻風邪ウイルスの可能性が高いです。 病期が短いため、治った頃に周囲の人が発症することが多く、「うつしたら治った」ように感じます。 のどの風邪 他の病気を引き起こす危険性がある 微熱があって喉が痛い場合があります。 ウイルスには抗生物質は無効ですが、細菌である溶連菌に対しては有効です。 風邪による喉の痛みは軽視してはいけません。 この菌に対する免疫反応が、発熱や喉の腫れがひいた頃に、別の病気を引き起こす事があるからです。 心臓疾患や関節の炎症を伴う疾患をリウマチ熱と呼びます。 急性糸球体腎炎という血尿と浮腫と高血圧を起こす疾患もあります。 お腹の風邪 脱水症状の改善が重要 風邪症候群は気道感染による疾患とされていますが、「お腹の風邪」という表現が使われる場合があります。 微熱があって嘔吐や下痢症状がある場合に、この表現を用います。 ウイルス性腸炎の原因としては、集団発生の場合を含めてノロウイルスが多いことが判明していますが、ノロウイルス以外にも消化管に感染するウイルスはあります。 例えば小児に多いロタウイルス、結膜炎の原因にもなるアデノウイルスでは迅速キットが診断に利用出来ます。 細菌性の食中毒でも嘔吐や下痢症状を来します。 お腹の風邪というときは個々の例では原因の最終的な究明はできない場合が多いのですが、治療としては脱水症状の改善が重要です。 脱水症状の改善には静脈内への点滴が有効とされています。 夏風邪 呼吸器以外の症状も多い 夏風邪という言葉もあります。 夏風邪には複数のウイルスが関係しています。 呼吸器以外に、目の症状や消化器症状、発疹を伴う事があります。 ウイルス性腸炎をさしている場合も多く、夏にかかる「お腹の風邪」のことをこう呼ぶこともあります。 主な風邪の種類については以上です。

次の

風邪の種類 [感染症] All About

風邪 の ウイルス 種類

次に、 風邪症状が1週間ぐらい続いて、倦怠感と息苦しさが出てくるもの。 体がむくんだり、下痢が重なる人もいるようです。 高齢者や基礎疾患のある方において、この経過をとる人が多いのですが、健康な壮年層にも見られることがあります。 一方、この経過を子どもがとることは極めて稀とされています。 感染してから発症するまでの潜伏期間は5日(1-11日)ぐらいで、入院を要するほどに重症化するのは、さらに10日(9. 1-12. 5日)経ったころだと見積もられています。 感染力が強いのは、発症から3、4日目ぐらいだと考えられていますが、重症化すると感染力も維持されて院内感染を引き起こしやすくなっています。 若者と高齢者で臨床経過が異なるので、重症化率と致命率についても世代別に考えた方がよいと思います。 いまだ、世代別の疫学報告はありませんが、私個人のざっくりとした印象で言うと…、若者の重症化率と致命率は、統計的に見れば、ほぼゼロ%でしょう。 一方、感染した高齢者の1割ぐらいが重症化して、1%ぐらいが死亡するのではないかと感じています。 これは、やや甘めの見積もりであって、要介護高齢者や入院患者では、さらにリスクが高まるものと考えてください。 高齢者や基礎疾患のある人の感染を防ぐ というわけで、これから私たちは何をすべきか。 もはや、流行を抑止することは主たる目的ではなくなってきました(やれることはやるべきですが)。 むしろ、重症化する人を減らし、とくに新型コロナに感染して死亡する人をできる限り減らすことに力を注ぐべきです。 つまり、 高齢者や基礎疾患のある人に感染させないようにしましょう。 そして、 院内感染を防ぎましょう。 これに尽きます。 なお、 基礎疾患のある人とは、糖尿病や高血圧、腎臓病など慢性疾患があって、定期の内服薬を要する人だと考えてください。 以下、これらの方々をハイリスク者と呼びます。 ハイリスク者がいる家庭では、ウイルスを外から持ち込まないように、玄関先にアルコールを置いて帰宅時の手指衛生を徹底してください。 アルコールが手に入らないなら、おしぼりでもいいです(やらないよりはマシです)。 とにかく、ドアノブなどあちこちを触ってから、洗面台に行っても手遅れということです。 同居する家族が風邪をひいたら、ハイリスク者と接触しないよう症状が治まるまで家庭内で隔離してください。 そして、風邪をひいている人が部屋を出るときは、マスクを着用させて、アルコールで手指衛生をしてください。 部屋の外では、できるだけ余計なものは触らないこと。 トイレに行った後は、触った場所をアルコールを染みこませたペーパータオルで拭うこと。 お風呂は最後に入ること。 バスタオルは絶対に共用しないこと。 こうした対応を、発症してから7日間は頑張ってください。 それが困難であるなら、一時的にハイリスク者を親族の家などに疎開させることも考えてください。 新型コロナかどうかの確認で救急外来受診は避ける なお、 風邪症状に過ぎないのに新型コロナかどうかを確認するためだけに、救急外来を受診することは避けてください。 そこには、体調を悪化させたハイリスク者がたくさん受診しているのです。 彼らへ感染させないように協力してください。 また、救急外来には新型コロナの重症患者もいるかもしれません。 あなたが「ただの風邪」だったとしても、救急外来を受診することで新型コロナに感染して帰ってくることになるかもしれません。 流行期には、ハイリスク者の方々が人混みを避け、なるべく自宅で過ごしていただくことも大切ですね。 感染リスクのある病院に行く回数を減らすためにも、1カ月おきの外来受診を3カ月おきなど、長期処方とともに予約延長してもらうことも考えられます。 かかりつけの先生に相談してみてください。 極めて重要な高齢者施設の感染管理について 高齢者施設の感染管理は極めて重要です。 100人の入所者がいる施設で新型コロナがアウトブレイクした場合、30人以上が発症し、10人以上が救急搬送を要して、数人がお亡くなりになるというイメージが必要です。 このような事態を避けるためにも、全力で感染管理に取り組みましょう。 まず、 外から持ち込ませないこと。 流行期にあっては、 原則として面会はすべて中止。 物品の搬入なども玄関先で行います。 どうしても入らなければならないのなら、玄関先でアルコールによる手指衛生を行って、トイレも含め共用の場所には立ち入らないように求めます。 職員についても、当然ながら玄関先で手指衛生。 そして、 毎朝の検温と症状確認を自己申告ではなく、管理者による指差し確認を行います。 もし、軽微であっても発熱や咳などの症状があれば、絶対に休ませてください。 絶対にです。 勤務中であっても症状を認めたら、絶対に休ませてください。 もう一度言います。 絶対にです。 なお、流行期においては、出勤できる職員数が半減することも想定しなければなりません。 このとき、すべての業務を継続させようとしたり、現場の判断で場当たり的に仕事をさせるのではなく、優先的に継続させるべき中核業務を決定しておくことが必要です。 入居者の協力のもと、どこまで業務をスリム化できるかが勝負です。 一方、悩ましいのは通所サービスですね。 ここでの感染管理を徹底することは不可能でしょう。 デイケアやデイサービスをどのように運用するのか…。 最善の方法は、流行期にはすべて休止させることです。 もちろん、その分、訪問サービスを充実させる必要があります。 通所サービスの職員に、利用者宅を巡回させるなど工夫してください。 これは事業者だけで解決できる問題ではないので、市町村が主導するなどして、どうすべきかを急ぎ話し合っていただければと思います。 いま、話し合ってください。

次の

新型コロナウイルス、症状は? 風邪とどう違う? 医師が解説

風邪 の ウイルス 種類

名称 [ ] ウイルスは、「毒液」または「粘液」を意味する「 virus」に由来する。 のは「病気を引き起こす毒」という意味でこの言葉を用いている [ ]。 日本語名 [ ] の主な言語での発音を以下に列挙する。 日本語での表記(含む) ( 太字は『』掲載表記) 音写 (語頭の "vi" の音写の違いで分類) "v"\"vi" 1 2音節 1 2モーラ (含む) 3モーラ (長音含む) 2モーラ ビルス ビールス ビイールス バイラス 病毒 濾過性病原体 ィルス ヴィールス ヴイールス ヴールス ヴァイラス イラス () ウィルス ウィールス ワイラス ウイールス ウイルス (28年)にが設立されたのを機に、「ウイルス」という表記が日本語の正式名称として採用された。 その一方、はドイツ語発音に由来する「ビールス」を用い、1970年代頃は「ビールス」呼称が学校や一般で使用されていた。 現在は宿主に関わらず「ウイルス」が正式名称である。 なお、ウイルスの細胞外粒子を表す「: virion」の語には、「ウイリオン」ではなく「」の読み表記が定着している。 特徴 [ ] ウイルスはを構成単位とせず、自己増殖はできないが、を有するという、非生物・両方の特性を持っている。 ・上、生物・生命の定義を厳密に行うことはできていないため、便宜的に細胞を構成単位とし、し、自己増殖できるものを生物と呼んでおり、ウイルスは「非細胞性生物」あるいは「生物学的存在」と見なされている。 感染することで宿主のに影響を及ぼし、としてふるまうことがある。 ウイルスを対象として研究する分野はと呼ばれる。 遺伝物質の違いから、大きくとに分けられる(詳細は「」を参照)。 発見 [ ] 詳細は「」および「」を参照 の歴史は、にのが観察によって細菌を見出したことに始まり、その後にのがや学における意義を、にのがにおける意義を明らかにしたことで大きく展開した。 特にコッホが発見し提唱した「が細菌によって起きる」という考えが医学に与えた影響は大きく、それ以降、感染症の原因はを除いて全て細菌によるものだと考えられていた。 、のは、の病原が細菌を通過しても感染性を失わないことを発見。 それが細菌よりも微小な、では観察できない存在であることを報告した。 またこの研究とは別に、にドイツのとがの病原体の分離を試み、これが同様の存在であることを突き止め、「filterable virus(濾過性病原体)」と呼称した。 同年にオランダのはイワノフスキーと同様の研究を行って、同じように見出された未知の性質を持つ病原体を「Contagium vivum fluidum(生命を持った感染性の液体)」と呼んだ。 レフラーは濾過性病原体を小さな細菌と考えていたが、ベイエリンクはであると考え、これが細胞に感染して増殖すると主張した。 彼の主張はすぐには受け入れられなかったが、同様の性質をもった病原体やが発見されていくことで、一般にもウイルスの存在が信じられるようになった。 その後、的な性質が徐々に解明され、ウイルスはからできていると考えられた。 、のがタバコモザイクウイルスの化に成功し、これによってウイルスはによって初めて可視化されることとなった。 また彼の発見したこのは、感染能を持っていることを示し、化学物質のように結晶化できる生物の存在は生物学・科学界に衝撃を与えた。 彼はこの業績により、にを受賞した。 スタンリーはウイルスが能を持つ巨大なタンパク質であるとしたが、翌年に少量のが含まれることが示された。 当時はの正体は未解明であり、遺伝子タンパク質説が有力とされていた。 当時は、は能動的に病気を引き起こすと考えられていたので、分子ロボット(今で言う)のようなもので人が病気になるということに当時の科学者たちは驚いた。 それでも当時はまだ、病原体であるには細菌ほどの複雑な構造、少なくとも自己のタンパク質をコードする遺伝子ぐらいは最低限持っていなくては病原体になりえない、と思われていた。 に行われたは、においてが遺伝子の役割を持つことを明らかにし 、これを契機にウイルスの繁殖、ひいてはウイルスの性質そのものの研究が進むようになった。 同時に、この実験は生物の遺伝子がDNAであることを示したものと解せられた。 その後の研究で、大きさや、遺伝子の数で一部の細菌を上回るウイルスも発見されるようになった。 750nmというサイズから1992年に細菌と誤認された「ブラッドフォード」は電子顕微鏡による解析が進められて2003年にウイルスだったと確認された()。 2013年には長径1000nmの、翌2014年には長径1500nmの「」が発見された (「」参照)。 一般的な生物との違い [ ] 一般的な原核生物 (例:) ウイルス 構成単位 ウイルス粒子 遺伝情報の担体 DNAまたは 増殖様式 (や) の存在 の合成 できる できない できる できない タンパク質の合成 できる できない ある ない ある ない 単独で増殖 できる できない (他生物に付着) できない(偏性細胞内寄生性) ウイルスは以下のような点で、一般的な生物と大きく異なる。 非細胞性でなどは持たない。 大部分の生物は細胞内部にとの両方の核酸が存在するが、ウイルス粒子内には基本的にどちらか片方だけしかない。 他のほとんどの生物の細胞は2 nで的に増殖するのに対し、ウイルスは一段階増殖をする。 また、ウイルス粒子が見かけ上消えてしまう「暗黒期」が存在する。 代謝系を持たず、自己増殖できない。 他生物の細胞に寄生することによってのみ増殖できる。 自分自身でエネルギーを産生せず、宿主細胞の作るそれを利用する。 なお、4はウイルスだけに見られるものではなく、や、など一部の細菌やにも同様の特徴を示すものがある。 細胞は生きるのに必要なエネルギーを作る製造ラインを持っているが、ウイルスはその代謝を行っておらず、代謝を宿主細胞に完全に依存し、宿主の中でのみ増殖が可能である。 ウイルスに唯一できることは他の生物の遺伝子の中に彼らの遺伝子を入れる事である。 厳密には自らを入れる能力も持っておらず、細胞が正常な物質と判別できず、ウイルスのタンパク質を増産するのを利用しているだけである。 これらの性質から、ウイルスを生物と見做さない言説も多いが、、など、細菌に非常に近い構造を持つウイルスも存在することから、少なくとも一部は遺伝子の大部分を捨て去り、に特化した生物の一群由来であろうことが強く示唆されている。 一方、との類似性もまた、少なくとも一部のウイルスは機能性核酸が独立・したものである可能性を強く示唆している。 つまり、ウイルスとして纏められている物は多元的であり、人為分類群である可能性が非常に高い。 構造 [ ] ウイルスの基本構造 (A)エンベロープを持たないウイルス、(B)エンベロープを持つウイルス、1. カプシド、2. ウイルス核酸、3. カプソマー、4. ヌクレオカプシド、5. ビリオン、6. エンベロープ、7. スパイクタンパク質 ウイルスの基本構造は、粒子の中心にある ウイルス核酸と、それを取り囲む capsid と呼ばれるタンパク質の殻から構成された粒子である。 その大きさは小さいものでは数十から、大きいものでは数百nmのものまで存在し、他の一般的な生物の細胞(数〜数十)の100〜1000分の1程度の大きさである。 ウイルス核酸とカプシドを併せたものを nucleocapsid と呼ぶ。 ウイルスによっては、 envelope と呼ばれる膜成分など、ヌクレオカプシド以外の物質を含むものがある。 これらの構成成分を含めて、そのウイルスにとって必要な構造を全て備え、宿主に対して感染可能な「完全なウイルス粒子」を と呼ぶ。 ウイルス核酸 [ ] ウイルス核酸は、通常、かのどちらか一方である。 すなわち、他の生物が一個の細胞内にDNA(遺伝子として)とRNA(、、など)の両方の分子を含むのに対して、ウイルスの一粒子にはその片方しか含まれない(ただしDNAと共にRNAを一部含むのような例外も稀に存在する)。 そのウイルスが持つ核酸の種類によって、ウイルスはDNAウイルスとRNAウイルスに大別される。 さらに、それぞれの核酸が一本鎖か二本鎖か、一本鎖のRNAであればmRNAとしての活性を持つか持たないか(プラス鎖RNAかマイナス鎖RNAか)、環状か線状か、などによって細かく分類される。 ウイルスのは他の生物と比べてはるかにサイズが小さく、またコードしている遺伝子の数も極めて少ない。 例えば、ヒトの遺伝子が数万あるのに対して、ウイルスでは3〜100個ほどだと言われる。 ウイルスは基本的にタンパク質と核酸からなる粒子であるため、ウイルスの複製(増殖)のためには少なくとも• タンパク質の合成• ウイルス核酸の複製• を行うために必要な、材料の調達とエネルギーの産生 が必要である。 しかしほとんどのウイルスは、1や3を行うのに必要なの遺伝情報を持たず、宿主細胞の持つタンパク合成機構や代謝、エネルギーを利用して、自分自身の複製を行う。 ウイルス遺伝子には自分の遺伝子(しばしば宿主と大きく異なる)を複製するための酵素の他、宿主細胞に吸着・侵入したり、あるいは宿主の持つ機構から逃れたりするための酵素などがコードされている。 ウイルスによっては、カプシドの内側に、核酸と一緒にカプシドタンパク質とは異なるタンパク質を含むものがある。 このタンパク質とウイルス核酸を合わせたものを「コア」と呼び、このタンパク質を「コアタンパク質」と呼ぶ。 カプシド [ ] 詳細は「」を参照 カプシド capsid は、ウイルス核酸を覆っているタンパク質であり、ウイルス粒子が細胞の外にあるときに内部の核酸をさまざまな障害から守る「殻」の役割をしていると考えられている。 ウイルスが宿主細胞に侵入した後、カプシドが壊れて(脱殻、だっかく)内部のウイルス核酸が放出され、ウイルスの複製がはじまる。 カプシドは、同じ構造を持つ小さなタンパク質( カプソマー)が多数組み合わさって構成されている。 この方式は、ウイルスの限られた遺伝情報量を有効に活用するために役立っていると考えられている。 小さなタンパク質はそれを作るのに必要とする遺伝子配列の長さが短くてすむため、大きなタンパク質を少数組み合わせて作るよりも、このように小さいタンパク質を多数組み合わせる方が効率がよいと考えられている。 ヌクレオカプシド [ ] ヌクレオカプシドの対称性 左 正二十面体様 中 らせん構造 右 構造の複雑なファージ ウイルス核酸とカプシドを合わせたものを ヌクレオカプシド nucleocapsid と呼ぶ。 エンベロープを持たないウイルスではヌクレオカプシドはビリオンと同じものを指す。 言い換えればヌクレオカプシドは全てのウイルスに共通に見られる最大公約数的な要素である。 ヌクレオカプシドの形はウイルスごとに決まっているが、多くの場合、様の構造、または構造をとっており、立体対称性を持つ。 ただし、の原因であるやバクテリオファージなどでは、ヌクレオカプシドは極めて複雑な構造であり、単純な対称性は持たない。 エンベロープ [ ] 詳細は「」を参照 エンベロープ envelope は、や、など一部のウイルス粒子に見られる膜状の構造のこと。 これらの ウイルスにおいて、エンベロープはウイルス粒子( )の最も外側に位置しており、 ウイルスの基本構造となる ウイルスゲノムおよびタンパク質を覆っている。 エンベロープの有無はウイルスの種類によって決まっており、分離されたウイルスがどの種類のものであるかを鑑別する際の指標の一つである。 エンベロープは、ウイルスがした細胞内で増殖し、そこから細胞外に出る際にあるいはなどのを被ったまま出芽することによって獲得されるものである。 このため、基本的には宿主細胞のに由来するものであるが、この他にウイルス遺伝子にコードされているの一部を細胞膜などに発現した後で膜と一緒にウイルス粒子に取り込み、 エンベロープタンパク質としてビリオン表面に発現させている。 これらのエンベロープタンパク質には、そのウイルスが宿主細胞に吸着・侵入する際に細胞側が持つに結合したり、などの生体防御機能を回避したりなど、様々な機能を持つものが知られており、ウイルスの感染に重要な役割を果たしている。 細胞膜に由来するエンベロープがあるウイルスでは、エンベロープタンパク質が細胞側のレセプターに結合した後、ウイルスのエンベロープと細胞膜とが膜融合を起こすことで、エンベロープ内部に包まれていたウイルスの遺伝子やタンパク質を細胞内に送り込む仕組みのものが多い。 エンベロープはその大部分が脂質から成るためや、などで処理すると容易に破壊することができる。 このため一般にエンベロープを持つウイルスは、用での不活化が、エンベロープを持たないウイルスに比べると容易である。 増殖 [ ] 細胞(左)とウイルス(右)の増殖様式 ウイルスは、それ自身単独では増殖できず、他の生物の細胞内に感染して初めて増殖可能となる。 このような性質を 偏性細胞内寄生性と呼ぶ。 また、一般的な生物の細胞が2分裂によって 2 n で的に数を増やす(対数増殖)のに対し、ウイルスは1つの粒子が、感染した宿主細胞内で一気に数を増やして放出(一段階増殖)する。 また感染したウイルスは細胞内で一度分解されるため、見かけ上ウイルス粒子の存在しない期間( 暗黒期)がある。 ウイルスの増殖は以下のようなステップで行われる。 ウイルスが宿主細胞に接触すると、ウイルスの表面にあるタンパク質が宿主細胞の表面に露出しているいずれかの分子を標的にして吸着する。 このときの細胞側にある標的分子をそのウイルスに対する と呼ぶ。 ウイルスが感染するかどうかは、そのウイルスに対するレセプターを細胞が持っているかどうかに依存する。 代表的なウイルスレセプターとしては、に対するのシアル酸糖鎖や、に対する表面のCD4分子などが知られている。 細胞内への侵入 [ ] 細胞表面に吸着したウイルス粒子は、次に実際の増殖の場になる細胞内部へ侵入する。 侵入のメカニズムはウイルスによって様々であり、代表的なものに以下のようなものがある。 による取り込み 細胞自身が持っているエンドサイトーシスの機構によって、エンドソーム小胞として細胞内に取り込まれ、その後でそこから細胞質へと抜け出すもの。 エンベロープを持たないウイルスの多くや、インフルエンザウイルスなどに見られる。 膜融合 吸着したウイルスのエンベロープが細胞の細胞膜と融合し、粒子内部のヌクレオカプシドが細胞質内に送り込まれるもの。 多くの、エンベロープを持つウイルスに見られる。 能動的な遺伝子の注入 Tファージなどのバクテリオファージに見られ、吸着したウイルスの粒子から尾部の管を通してウイルス核酸が細胞質に注入される。 注入とは言っても、ウイルス粒子の尾部が細菌の細胞壁を貫通した後の遺伝子の移動は、細菌細胞が生きていないと起こらないため、細菌の細胞自体の作用によって吸い込まれるのではないかと言われている。 脱殻 [ ] 細胞内に侵入したウイルスは、そこで一旦カプシドが分解されて、その内部からウイルス核酸が遊離する。 この過程を脱殻と呼ぶ。 脱殻が起こってから粒子が再構成されるまでの期間は、ビリオン(感染性のある完全なウイルス粒子)がどこにも存在しないことになり、この時期を 、あるいはやになぞらえて 期(eclipse period)と呼ぶ。 部品の合成 [ ] 脱殻により遊離したウイルス核酸は、次代のウイルス(娘ウイルス)の作成のために大量に複製されると同時に、さらにそこからを経て、カプソマーなどのウイルス独自のタンパク質が大量に合成される。 すなわちウイルスの合成は、その部品となる核酸とタンパク質を別々に大量生産し、その後で組み立てるという方式で行われる。 ウイルス核酸は宿主細胞の核酸とは性質的に異なる点が多いために、その複製は宿主の持つ酵素だけではまかなえないため、それぞれのウイルスが独自に持つ、など、転写・複製に関わる酵素が使われる。 またを持つでは、宿主のDNAに自分の遺伝子を組み込むことで、宿主の機構も利用する。 タンパク質の合成には、そのタンパク質をコードするmRNAを作成するためにウイルス独自の酵素を必要とする場合がある。 mRNAからタンパク質への翻訳は、宿主細胞の持つ、リボソームなどのタンパク質合成系を利用して行われる。 部品の集合とウイルス粒子の放出 [ ] 別々に大量生産されたウイルス核酸とタンパク質は細胞内で集合する。 最終的にはカプソマーがウイルス核酸を包み込み、ヌクレオカプシドが形成される。 この機構はウイルスによってまちまちであり、まだ研究の進んでないものも多い。 細胞内で集合したウイルスは、細胞から出芽したり、あるいは感染細胞が死ぬことによって放出されたりする。 このときエンベロープを持つウイルスの一部は、出芽する際に被っていた宿主の細胞膜の一部をエンベロープとして獲得する。 宿主に与える影響 [ ] ウイルスによる感染は、宿主となった生物に細胞レベルや個体レベルで様々な影響を与える。 その多くの場合、ウイルスがとして作用し、宿主にダメージを与えるが、一部のファージやレトロウイルスなどに見られるように、ウイルスが外来遺伝子の運び屋として作用し、宿主の生存に有利に働く例も知られている。 細胞レベルでの影響 [ ] 細胞変性効果(合胞体)敷石状に生育した培養細胞同士がウイルス感染によって細胞膜の融合を起こし、細胞核が中央に凝集して(写真中央)多核巨細胞様の形態になる。 ウイルスが感染して増殖すると、宿主細胞が本来自分自身のために産生・利用していたエネルギーや、アミノ酸などの栄養源がウイルスの粒子複製のために奪われ、いわば「ウイルスに乗っ取られた」状態になる。 これに対して宿主細胞はタンパク質や遺伝子の合成を全体的に抑制することで抵抗しようとし、一方でウイルスは自分の複製をより効率的に行うために、様々なウイルス遺伝子産物を利用して、宿主細胞の生理機能を制御しようとする。 またウイルスが自分自身のタンパク質を一時に大量合成することは細胞にとって生理的なストレスになり、また完成した粒子を放出するときには宿主の細胞膜や細胞壁を破壊する場合もある。 このような原因から、ウイルスが感染した細胞では様々な生理的・形態的な変化が現れる。 この現象のうち特に形態的な変化を示すものを cytopathic effect, CPE と呼ぶ。 ウイルスによっては、特定の宿主細胞に形態的に特徴のある細胞変性効果を起こすものがあり、これがウイルスを鑑別する上での重要な手がかりの一つになっている。 代表的な細胞変性効果としては、細胞の円形化・細胞同士の融合による合胞体 synsitium の形成・封入体の形成などが知られる。 様々な生理機能の変化によって、ウイルスが感染した細胞は最終的に以下のいずれかの運命を辿る。 ウイルス感染による細胞死 ウイルスが細胞内で大量に増殖すると、細胞本来の生理機能が破綻したり細胞膜や細胞壁の破壊が起きたりする結果として、多くの場合、宿主細胞は死を迎える。 ファージ感染による現象もこれにあたる。 多細胞生物の細胞では、ウイルス感染時にを停止させたり、MHCクラスIなどの提示分子を介してを活性化したりして、を起こすことも知られている。 感染した細胞が自ら死ぬことで周囲の細胞にウイルスが広まることを防いでいると考えられている。 持続感染 ウイルスによっては、短期間で大量のウイルスを作って直ちに宿主を殺すのではなく、むしろ宿主へのダメージが少なくなるよう少量のウイルスを長期間に亘って持続的に産生(持続感染)するものがある。 宿主細胞が増殖する速さと、ウイルス複製による細胞死の速さが釣り合うと持続感染が成立する。 による溶原化もこれにあたる。 持続感染の中でも、特にウイルス複製が遅くて、ほとんど粒子の複製が起こっていない状態を と呼ぶ。 細胞の不死化とがん化 多細胞生物に感染するウイルスの一部には、感染した細胞をしたり、化したりするものが存在する。 このようなウイルスを あるいは がんウイルスと呼ぶ。 ウイルスが宿主細胞を不死化あるいはがん化させるメカニズムはまちまちであるが、宿主細胞が感染に抵抗して起こす細胞周期停止やアポトーシスに対抗して、細胞周期を進行させたりアポトーシスを抑制したりする遺伝子産物を作る場合(DNAがんウイルス)や、細胞の増殖を活性化する場合、またでは宿主のゲノムにウイルス遺伝子が組み込まれる際、が潰された結果、がん化することも知られている。 個体レベルでの影響 [ ] ウイルス感染は、細胞レベルだけでなく多細胞生物の個体レベルでも、様々な病気を引き起こす。 このような病気を総称してウイルス感染症と呼ぶ。 や、、、(AIDS)などの病気がウイルス感染症に属しており、これらのウイルスはしばしばを引き起こして人類に多くの犠牲者を出した。 また、動物ではウイルス感染が起きると、それに抵抗して免疫応答が引き起こされる。 中や中のウイルス粒子そのものに対しては、ウイルスに対する中和抗体が作用する()ことで感染を防ぐ。 感染した後の細胞内のウイルスに対しては抗体は無効であるが、細胞傷害性T細胞やNK細胞などが感染細胞を殺す()ことで感染の拡大を防ぐ。 免疫応答はまた、特定のウイルス感染に対して人工的に免疫を付与するによっても産生され得る。 AIDSやウイルス性の原因となるものを含む一部のウイルスは、これらの免疫応答を回避し、慢性感染症を引き起こす。 ウイルス感染症における症状の中には、ウイルス感染自体による身体の異常もあるが、むしろ、感染細胞のアポトーシスなどによる組織傷害のように、上記のような免疫応答を含む、対ウイルス性の身体の防御機構の発現自体が健康な身体の生理機構を変化させ、さらには身体恒常性に対するダメージともなり、の症状として現れるものが多い。 脚注 [ ] [] 注釈 [ ]• 森安史典『あなたの医学書 C型肝炎・肝がん』株式会社誠文堂新光社、2009年、17ページ、• Collins English Dictionary• William T. Stearn: Botanical Latin. History, Grammar, Syntax, Terminology and Vocabulary. 「Virus: virus s. II , gen. sing. viri, nom. vira, gen. Michael Worboys: Cambridge History of Medicine: Spreading Germs: Disease Theories and Medical Practice in Britain, 1865-1900, Cambridge University Press, 2000, p. 204• In: Handbook of Laboratory Animal Science. Second Edition. Van Hoosier Jr. , CRC Press, 2003, p. 『文章表現辞典』(、1965年)p. 野田省吾「」『実験医学雑誌』1937年 21巻 4号 p. 385-388, :• 遠藤保太郎「」『蠶絲學雜誌』7 3 : 195-207 1935 , :• 深井孝之助,土佐英輔,西義美「」『VIRUS. 』1951年 1巻 2号 p. 135-140, :• 波多野基一「」『VIRUS. 』1952年 2巻 3号 p. 187-194, :• 田久保茂樹,川久保義典「」『細菌學雜誌』1930年 1930巻 416号 p. 643-652, :• 日本ウイルス学会ホームページ. 2020年4月6日閲覧。 日本植物病理学会編 1995. 植物病理学事典. 養賢堂. マシューズ、ホルダ、アハーン『カラー生化学』西村書店刊、2003年5月15日発行(16ページ)• 加藤茂孝『人類と感染症の歴史 未知なる恐怖を越えて』( 平成25年3月30日発行)p. NobelPrize. org. 2020年4月6日閲覧。 理学部. 2013年5月19日時点のよりアーカイブ。 2020年4月6日閲覧。 『』朝刊2020年6月7日(サイエンス面)2020年6月10日閲覧 参考文献 [ ]• 『STEP内科 2 感染症・血液』松岡健 他 監修 海馬書房 1998年11月27日 初版 P. 107〜P. 109• 『医科ウイルス学』大里外誉郎編集、 1992年12月• 『医学ウイルス学』David O. White, Frank J. Fenner• 『ウイルス図鑑』保坂康弘ほか• 『医学細菌学』中野昌康 菜根出版 関連項目 [ ] で 「 ウイルス」に関する情報が検索できます。 ウィクショナリーの ウィキブックスの ウィキクォートの ウィキソースの コモンズで() ウィキニュースの ウィキバーシティの ウィキスピーシーズの• 生物以外• 外部リンク [ ]• 世界大百科事典 第2版『』 -.

次の