リシン アミノ酸。 【解決】塩基性アミノ酸と酸性アミノ酸の分類

リシンHClとは…成分効果と毒性を解説

リシン アミノ酸

リシンは塩基性を示すアミノ基(-NH 2)および4-アミノブチル基が正電荷を、酸性を示すカルボキシル基(-COOH)が負電荷をもつ双性イオン化合物であり、電荷が全体として0となる(中性を示す)ときのpH(等電点)が9. 74であることから(文献2:1994)、溶液のpHが9. 74以下なら陽イオンに、9. 74以上なら陰イオンとなります。 リシンは塩基性を示すアミノ基(-NH 2)と酸性を示すカルボキシル基をもつアミノ酸ですが、側鎖に塩基性の4-アミノブチル基をもつことから塩基性アミノ酸に分類されます。 一般的な用途としては、医療分野においては水分や電解質などを点滴静注により投与するための輸液(点滴)に、食品分野においてアミノ酸バランスを改善した栄養強化食品などに、飼料分野においてはアミノ酸バランスを改善しタンパク効率を高めた畜産飼料・養鶏飼料などに汎用されています (文献3:1967)。 化粧品に配合される場合は、• 角質層水分量増加による保湿作用 角質層水分量増加による保湿作用に関しては、まず前提知識として皮膚最外層である角質層の構造と役割および角質細胞におけるアミノ酸の役割について解説します。 直接外界に接する皮膚最外層である角質層は、以下の図のように、 角質と角質の間を細胞間脂質で満たした、レンガとモルタルの関係と同様の構造となっており、この構造が保持されることによって、外界からの物理的あるいは化学的影響から身体を守り、かつ体内の水分が体外へ過剰に蒸散していくのを防ぐとともに一定の水分を保持する役割を担っています (文献4:1990;文献5:2002)。 0 ピロリドンカルボン酸(PCA) 12. 0 12. 0 7. 0 アンモニア、尿酸、グルコサミン、クレアチン 1. 0 0. 5 糖、有機酸、ペプチド、未確認物質 8. 8 0. 4 19. 3 14. 7 10. 4 3. 4 メチオニン 0. 2 0. 5 1. 5 0. 8 0. 7 リシン 1. 1 1. 4 10. 3 16種類で構成されており (文献7:1983)、中でもセリン、グリシン、アラニンおよびアルギニンが大部分を占めています。 このような背景から、角質層の水分保持にアミノ酸が重要であると考えられています。 4)となるように調製した5種類の水溶性アミノ酸(リシンHCl、グリシン、グルタミン酸Na、プロリンおよびトレオニン)溶液をのせ、2-4時間ごとに皮膚透過挙動を評価したところ、以下のグラフのように、 いずれのアミノ酸も経皮吸収にタイムラグがみられ、またアミノ酸によって透過量が異なることがわかった。 次に、ヒト皮膚の角質層を擦って剥いだ肌荒れモデル上に同様のアミノ酸溶液をのせ、2-4時間ごとに皮膚透過挙動を評価したところ、以下のグラフのように、 いずれのアミノ酸も経皮吸収のラグタイムが短縮され、また蓄積量も増大した。 この試験結果から、角質層はアミノ酸の経皮吸収に対して最大のバリアとなっていることが明らかとなった。 このような検証結果が明らかにされており (文献9:1996)、リシンは健常皮膚においては経時的に穏やかな経皮吸収性が、バリア機能が低下した皮膚においては健常な皮膚と比較して優れた経皮吸収性が認められています。 健常な皮膚においては、角質層がバリアの役割を果たしているため、リシンは経皮吸収されにくく、また経皮吸収に時間がかかることから即時的な保湿効果はほとんどないと考えられますが、その一方でこの試験データは40時間ジワジワと少しずつ経皮吸収されることが明らかにされていることから、持続性のある穏やかな保湿剤として機能すると考えられます。 また、肌荒れや皮膚炎などを有するバリア機能が低下した皮膚においては、角質層を有した健常な皮膚と比較して格段に高い経皮吸収性を示したことから、優れた水分保持剤になり得ると考えられます。 角質層ケラチンのカルボニル化抑制による角質層透明度保持作用 角質層ケラチンのカルボニル化抑制による角質層透明度保持作用に関しては、まず前提知識として角層における透明感の定義および構造と角質層ケラチンのカルボニル化の関係について解説します。 肌の透明感には角質層の光透過性が大きく影響している. 角質層の光透過性,すなわち入射光に対する透過光の比率が高いほど透明感が高いと考えられ,角質層の水分量や肌表面のきめの整い具合などの要素より左右される. 透明感において重要な要因は、• 角層水分量• キメの深さ• キメの間隔• メラニン量• ヘモグロビン量 これらの5つとされており、角層水分量およびキメの深さは正の寄与率を示し、キメの間隔、メラニン量およびヘモグロビン量は負の寄与率を示します (文献13:2010)。 つまり、透明感の高い肌とは、角層水分量が多く、キメが深く、細かく、メラニン量およびヘモグロビン量が少ないことを意味しています。 また、日本化粧品工業連合会の定義案にあるように、透明感のある肌では入射光に対する透過光の比率が高いとした場合に、知覚的には皮膚内部から光が多く戻ってくる肌であると考えられます。 以下の皮膚における光の伝播に対する光学モデルをみてもらうとわかりやすいと思いますが、 健常な皮膚に入射にした光は、• 一方で、皮膚内に入る光の量は角質層の状態に大きく依存し、角質細胞が変性(カルボニル化)して角質細胞の配列に乱れがある(キメが悪くなる)と、皮膚表面での散乱反射が増え、皮膚内に入る光の量が低下するため、肌の透明度が低下します。 角質細胞の変性は、紫外線などの外的要因などによって角質細胞がカルボニル化することで起きることが明らかになっており (文献15:2008)、角層のカルボニル化が透明感低下の一因であると考えられています。 カルボニル化については、以下の真皮タンパク質の変性メカニズムみてもらうとわかりやすいと思いますが、 過酸化脂質の分解物であるアルデヒド類が、タンパク質に付加してタンパク質をカルボニル化し、カルボニル化によってタンパク質は本来の機能を失うのですが、このカルボニル化が角質層のケラチンでも起こっていることが明らかになっています (文献16:2001)。 このような背景から、角質ケラチンのカルボニル化を抑制し、角質の配列を整えることは、皮膚内に入る光の量を増やすことにつながるため、肌の透明感向上において重要であると考えられます。 このような検証結果が明らかにされており (文献15:2008)、リシンに角質層ケラチンのカルボニル化抑制による角質層透明度保持作用が認められています。 複合アミノ酸原料としてのリシン リシンは、他のアミノ酸やアミノ酸関連物質とあらかじめ混合された複合原料があり、リシンと以下の成分が併用されている場合は、複合アミノ酸原料として配合されている可能性が考えられます。 原料名 PRODEW 400 構成成分 、、、、、、、 リシン、、、、、、 特徴・主な用途 皮膚のNMFをモデル化した保湿剤 原料名 AMINO ACID COMPLEX 構成成分 、、、、、、、、 リシン、、、、、、、、 特徴・主な用途 皮膚のNMFをモデル化した保湿剤 実際の配合製品の種類や配合濃度範囲は、海外の2012年の調査結果になりますが、以下のように報告されています。 以下表におけるリーブオン製品は、付けっ放し製品(スキンケア製品やメイクアップ製品など)を表しており、またリンスオフ製品というのは、洗い流し製品(シャンプー、ヘアコンディショナー、ボディソープ、洗顔料、クレンジングなど)を指します。 Cosmetic Ingredient Reviewの安全性試験データ (文献1:2013)によると、• [ヒト試験] 104人の被検者に0. [ヒト試験] 106人の被検者に0. [ヒト試験] 213人の被検者に0. 試験データをみるかぎり、皮膚刺激および皮膚感作の報告がないため、 皮膚刺激性および皮膚感作性はほとんどないと考えられます。 眼刺激性について 試験結果や安全性データがみあたらないため、 現時点ではデータ不足により詳細は不明です。 成分一覧は以下からお読みください。 大木 道則, 他(1994)「リシン」化学辞典,1501. 日野 哲雄, 他(1967)「アミノ酸類の用途および製造の展望」有機合成化学協会誌 25 4 ,349-354. 田村 健夫, 他(1990)「表皮」香粧品科学 理論と実際 第4版,30-33. 朝田 康夫(2002)「角質層のメカニズム」美容皮膚科学事典,22-28. 尾沢 達也, 他(1985)「皮膚保湿における保湿剤の役割」皮膚 27 2 ,276-288. I Horii, et al(1983)「Histidine-rich protein as a possible origin of free amino acids of stratum corneum」Normal and Abnormal Epidermal Differentiation: Current Problems in Dermatology 11 ,301-315. 川崎 由明, 他(1996)「In vitroによるアミノ酸のヒト皮膚での経皮吸収挙動の解析」日本化粧品技術者会誌 30 1 ,55-61. M Sznitowska, et al(1993)「In vitro permeation of human skin by multipolar ions」International Journal of Pharmaceutics 99 1 ,43-49. L Wearley, et al(1990)「A Numerical Approach to Study the Effect of Binding on the Iontophoretic Transport of a Series of Amino Acids」Journal of Pharmaceutical Sciences 79 11 ,992—998. 日本化粧品工業連合会(2000)粧工連技術資料,107,144. 桑原 智裕(2010)「肌の透明感測定」光学 39 11 ,524-528. R Anderson, et al(1981)「The Optics of Human Skin」Journal of Investigative Dermatology 77 1 ,13-19. 岩井 一郎, 他(2008)「角層タンパク質のカルボニル化による肌透明感の低下」日本化粧品技術者会誌 42 1 ,16-21. スポンサーリンク.

次の

アミノ酸の代謝分解

リシン アミノ酸

アミノ酸の構造 アミノ酸の種類・構造 タンパク質を構成する分子はアミノ酸となっていて、タンパク質の理解を深めるため、以下では各アミノ酸の構造などについて説明します。 タンパク質を作っているアミノ酸や細胞核にある核酸は窒素化合物です。 共に線状に伸びて構成されています。 タンパク質の場合には、螺旋状になったり、ところどころ折れ曲がって球状の塊になるのが普通ですが、コラーゲンのように線状に伸びる場合もあります。 核酸の場合には、二重螺旋を形成し、これがうまく丸められ細胞核となります。 分裂する場合には、これがほどけて、それぞれ対となる塩基が「複製」されることで二つの二重螺旋ができ、細胞が複製されるということになります。 この二重螺旋にはアミノ酸の結合順序を指定したコード(塩基の三つ組みであるコドンと称されるものの並びで、開始と終了を指定するものがあります)が書かれていて、タンパク質が正確に合成されることになります。 もしコードの間に一つでも余計なものが入り込むと、コードは全く違ったものとなります。 核酸も体の重要な構成要素ですが、この成分(プリン塩基とピリミジン塩基など)は体内で合成されるため、特に食物から摂取する必要はありません。 余談ながら、有機分子の場合には、共有結合といって、手で結びあうように結合しています。 有機分子を構成する元素は、主に水素、酸素、窒素、炭素で、結合の手はそれぞれ1、2、3、4となっています。 ただし、二重結合などの場合もあるので、結合の手が4本あるからといって、必ずしも4つの原子と結合するわけではありません。 (なお、窒素分子は三重結合になっていて、これはかなり安定な分子であるために、植物は大気から取り込んで利用するということはできません。 このため、植物の生長のためには、水の他には窒素を含む物質(アミノ酸などを含む老廃物など)を肥料として与える必要があるということになります。 ) そうした結合があるものとしては、不飽和脂肪酸があります。 ただし、有機分子の結合性は共有結合だけで語れるものではなくて、他に水素結合というものもあります。 これは、水素と酸素が共有結合している場合、水素側の電子が酸素側に強く引きつけられて、水素側が正電気を帯びています。 一方、酸素側の方は、負電気を帯びるということになります。 この結果、電気的に中性なはずの有機分子同士が結合するということになります。 この良い例が水です。 水のように小さい分子が常温で液体となるのは、水素結合が緊密に働いていることによります。 また、生体などにおいてはタンパク質は水の中に存在することになりますが、水は極性分子であるため、極性のある分子とは親和性を示しますが、炭化水素のように極性のない分子とは親和性を示しません。 このため、非極性分子はできるだけ水と離れるようになります。 このことから、非極性分子同士は互いに接近するようになり、このような「結合」のことは疎水結合と呼ばれ(これは非極性分子同士が水溶液中で生じるものです)、タンパク質の立体構造を形成する主要な力であるとみなされています。 それでは、以下に各アミノ酸の構造を示します。

次の

コンピュータが先導するα

リシン アミノ酸

アミノ酸とは? ~生命の源となる栄養成分です。 カラダの様々な機能を担っています。 ~ アミノ酸の発見はアスパラガスから 1806年フランスで、アスパラガスの芽からアミノ酸がはじめて発見され、アスパラギンと名づけられました。 以降、尿結石からシステイン、ゼラチンからグリシン、筋肉や羊毛からロイシンが見つかり、1935年までにたんぱく質を構成するすべてのアミノ酸が発見されました。 私たちになじみの深いグルタミン酸は1866年にドイツのリットハウゼンが小麦のたんぱく質グルテンから取り出し、グルタミン酸と名づけました。 その後1908年、日本の池田菊苗博士がグルタミン酸は昆布のうま味成分であることを発見。 アミノ酸がおいしさのヒミツを握る成分であることがわかり、日本でもアミノ酸のさまざまなチカラについての研究が盛んにすすめられるようになりました。 アミノ酸は私たちの生命の源 私たちの生命の誕生については、地球外起源説、原始大気起源説、原始海洋起源説などいくつかの説がありますが、いずれにしても生命の源はアミノ酸だと言われています。 遠い宇宙の果てから落ちてきた隕石の中にもアミノ酸が見つかることがあります。 1969年、オーストラリアのマーチソンに落下した隕石には微量のグリシン、アラニン、グルタミン酸、ベーターアラニンが確認され、地球以外の宇宙にも生命体が存在した痕跡と考えられています。 また、5億年前の三葉虫の化石からはアラニンなどのアミノ酸が検出されるなど、現在でも化石や隕石のアミノ酸から生命起源の謎を解く研究が続けられています。 アミノ酸は私たちの生命そのものを生み出す、重要な物質なのです。 つまり、体重50kgの人なら約10kgがたんぱく質。 おもに筋肉や消化管、内臓、血中のヘモグロビン、髪や皮膚のコラーゲンなど、カラダの重要な組織をつくっています。 このたんぱく質を構成している成分がアミノ酸です。 つまり、私たちのカラダの約20%はアミノ酸でできている、と言えるのです。 カラダをつくるたんぱく質は20種類のアミノ酸から 自然界には約500種類ものアミノ酸が発見されていますが、私たちのカラダのたんぱく質を構成しているのはわずか20種類 表。 私たちが肉、魚、穀物などを食べると、そのたんぱく質は、20種類のアミノ酸に分解され、私たちのカラダの中で再び、必要なたんぱく質に組み換えられます。 その際、11種類のアミノ酸は他のアミノ酸から体内で合成して不足を補うことができますが、残る9種類は食事から摂取することが不可欠です。 このように体内で合成できないものを必須アミノ酸、合成できるものを非必須アミノ酸とよんでいます。 非必須アミノ酸という呼称は誤解を与えやすいのですが、私たちの生命活動にとってむしろ必須であるからこそ、体内での合成能力が進化の過程で保存されたものとも考えられます。 体内では、たんぱく質に再合成されたアミノ酸のほかに、細胞や血液中などに蓄えられているアミノ酸もあります。 これらは遊離アミノ酸とよばれます。 実際、非必須アミノ酸を含む多くの遊離アミノ酸は私たちの生体を維持するために、きわめて重要な役割を担っています。 食べ物のたんぱく質をつくっているアミノ酸の内、評点パターンに満たないものを制限アミノ酸と言い、これらを補うことでたんぱく質の栄養価を高めることができます。 制限アミノ酸の中で最も少ないものが評点パターンをどれくらい満たしているかを表す数値をアミノ酸スコアと言い、たんぱく質の栄養価を評価する値となります。 一般的に卵のたんぱく質などの動物性たんぱく質はアミノ酸スコアが良好で、良質なたんぱく質と言えます。 一方、小麦やトウモロコシなどの植物性たんぱく質のアミノ酸スコアは低いことが知られています。 小麦は必須アミノ酸のリシン(リジン)、メチオニン、トレオニン(スレオニン)が少ないので、肉や乳製品を食べることで、不足したアミノ酸を補わなくてはなりません。 米にやや不足ぎみであるリシン(リジン)は、豆類にたくさん含まれています。 また、豆類に少ないメチオニンは米にたくさん含まれています。 つまり、味噌や豆腐などの大豆製品とご飯の組み合わせは、必須アミノ酸の確保には理想的だと言えるでしょう。 世界各地の伝統的な食習慣には、古来の人々の健康のヒケツや知恵が活かされているのですね。

次の